尾崎牛
尾崎牛とは、宮崎県の牛肉商尾崎氏の運営する牧場で子牛の頃から育てられた牛のみに与えられる称号で、日本では牛肉商自らの名で市場に出ている唯一のブランドです。
尾崎氏はアメリカにある1万7千頭の牛を抱える牧場で、最先端といわれる肉牛生産技術を勉強しました。しかし早く太らせ早く出荷する肉牛生産工場での大量生産法に違和感を感じていた尾崎氏は、帰国時に「自分の食べたい牛肉、家族や友人に安心して食べてもらえる牛肉づくりをしよう」と考えました。その後牧場を引き継ぎ100頭の飼育から始め、30年かけてやっと「尾崎牛」と名付けられる牛になったと言います。
朝夕2時間かけてブレンドされる肥料は、敷地内の牧草地で刈り取られた牧草に、ビール酵母、大麦、とうもろこしなど15品目をブレンドしたもので、全て抗生物質、保存料などを一切含まない無農薬です。また、通常肉牛として出荷するのは生後28ヶ月が一般的ですが、尾崎氏は生きたまま長く熟成させたほうが味が良くなると信じ、28ヶ月から36ヶ月の飼育期間をかけてから屠殺しています。
長く熟成されたその肉は、舌の上でふわっと溶ける上質な脂と、噛めば噛むほどうま味が溢れる赤身で知られており、霜降りなのに驚くほど軽くいくら食べても消えていくようで胃もたれしません。